多事想論articles

改革が成功する企業とは

我々は様々な企業において改革の現場を経験しています。
改革とは、「開発力を向上させる」「開発期間を短縮する」「開発工数を削減する」「設計品質を向上させる」「コストを削減する」など様々なテーマを持った上で、自分たちの業務を変えていく活動を指しています。
実際に改革を行おうとする際には様々な抵抗を受ける事が多くあります。
皆さんにも経験があると思いますが、自分たちの仕事のやり方を変える事は非常に大変な事です。今までのやり方からもっと効率の良い、違うやり方に変える事は、自分たちの過去のやり方を否定して、新しいやり方を取り入れる事になります。その時に色々な形での抵抗が発生します。

(1)改革には賛成だが、自分が担当することには抵抗する。(誰かがやってくれる)
(2)改革の大筋では賛成だが細かい話になると抵抗する。(総論賛成各論反対)
(3)改革はコンサルタントが全てやってくれる為、自分たちは言われた事だけをやれば良い。
(当事者意識の欠如)
(4)改革後の姿に抵抗する。(目標の欠如)

そもそもなぜ改革を実行するのでしょうか。
改革を実行したいのは外部の人間ではなく自分たちのはずです。
改革を実行しようとする企業は、経営目標を達成する為にはこのままの姿では満足できないと考えているはずです。
その為には自分達を変えようと思い、将来はどのような姿になっていなければいけないのかを明確にしていると思います。
その上で、何をすれば良いのかを決めようとしているはずです。

我々が改革の相談を受けた場合には、改革実行中の抵抗が少しでも減るような工夫をしています。 まずは、経営層から明確な改革目標、自分たちの将来の姿を提示していただきます。その上で、改革プロジェクトメンバーの役割をしっかりと定義します。 部長レベル、課長レベル、担当レベル、改革推進リーダーなどそれぞれの立場で役割は違うはずです。 この事により、各自に目標意識を持ってもらい、当事者意識を持ってもらいます。 次に、自分たちの将来の姿を共有してもらいます。 この時に、明確に将来の姿が提示されていれば良いのですが、ほとんどの場合はぼんやりとした姿しか提示されていない事が普通です。 その場合には、将来の姿を作るところから始めます。 将来の姿を共有する時には一方的に提示をされてもなかなか腑に落ちないものです。 その為、時には合宿を行い、とことん議論をし尽くした上で、将来の姿を共有します。 将来の姿が共有できた次に行うのは、どのようにして将来の姿を実現するかです。 この実現手段を考える事が一番難しく混沌とするのですが、この段階までに議論を繰り返し、プロジェクトメンバーの当事者意識、役割が明確になっていれば議論は自然とスムーズに行われるものです。 実現手段さえ出来上がれば、後は目標に向かって経営層とプロジェクトメンバーが一体となって実行するだけです。

誰のための改革か、何のための改革かをしっかりと理解をして、どのような状態になりたいかのビジョンを持って改革に取り組む企業は間違いなく成功すると思います。 その時に自分達だけで改革活動が行えるか、専門家であるパートナーに頼らなければならないかをよく考え、パートナーが必要であれば最高のパートナーを選んでください。
その時に、少しでも我々がお役に立てれば幸いです。

執筆:福田 浩明
※コラムは執筆者の個人的見解であり、ITIDの公式見解を示すものではありません。

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