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計画の立て方 ~夏休みの宿題と仕事の共通点~

 重要な仕事を手付かずのまま長期間放ってしまい、締め切り間際にあわてて仕上げたという経験はありませんか?そのような経験はないという方も、小学生時代までさかのぼると思い当たる節があるのではないでしょうか?筆者は、夏休みの宿題を締め切り間際までやり残し、最後は家族総動員で片付ける、そんなことを毎年繰り返す小学生でした。

 充実した夏休みを過ごすには、ご推察の通り、まず「計画」が必要です。しかし、当時の筆者には計画の立て方がわからず、「一日にドリルを数ページ」程度の、いわば思いつきの計画が精一杯でした。あの時どうすれば良かったのかを考察することで、仕事との共通性を述べてみたいと思います。

(1)どれだけあるの?
 漠然とした不安は、そもそも宿題は全部でどれだけあるのか、はっきりとわからないことにありました。 「ドリル、自由研究、読書感想文、朝顔も育てて、水泳も頑張らなくちゃ...」と列挙すれば個数はわかりますが、それだけではまだ不安です。一つ一つの大変さ、つまり、難しさもわからなければ全体像を掴めません。 けれども、難易度の把握は意外とやっかいです。 比較的容易に把握できそうな計算ドリルでさえ、実は初日より最終日の問題の方が格段に難しくなっていたりします。ましてや自由研究などは課題自体が漠然としていて、難易度を測ることは困難です。 それでもあのとき、宿題の難易度にまで踏み込んでいたら、全体像を把握でき、次の行動につなげられたのではないかと思います。

(2)自分の持ち時間は?
 夏休みは、旅行やお出かけの楽しいイベントが盛り沢山。もしかしたら、休みは長くても、宿題に割ける時間は案外少ないのかもしれません。不本意にも夏風邪をひいてしまうこともありますし、自分以外のことも考慮しなければならないでしょう。 例えば、友達との共同研究なら友達の予定が、調べ物なら図書館の休館日が影響してきます。実際に宿題に費やせる時間はどれだけあったのでしょうか?きっと、想像よりも短かったことでしょう。

(3)やり終えるまでのステップは?
 筆者の場合、自由研究や読書感想文といった、やり方のはっきりしないものをよくやり残しました。どうにかしたいという気持ちがもっとも強い宿題なのに、毎年同じ結果を招いてしまいます。 一体、なぜでしょうか?何かを実行に移すには、その手順を事前に把握しておく必要があります。 明確に手順を思い浮かべることができて初めて、まずすべきこと、それにかかる時間、などの具体的な行動が分かるようになるからです。「思い」だけでは行動にならないものです。

(4)どうしたら締め切りを守れる?
 さて、自分で、もしくは、先生や両親に教わりながら、(1)~(3)をきちんと考え、実行可能な計画が立てられたとします。これで、問題なく宿題をこなせるでしょうか?多分、否です。 どんなに意欲的でも、長期間、自分を律してコツコツ進めることは誰にとっても困難です。しかし、両親や先生が時々確認することにしたらどうでしょうか?途中でチェックされるなら、最終日まで放っておくことはできなくなります。 進みが遅いなどのお小言があるかもしれませんが、宿題のヒントなど役立つことも教えてくれるでしょう。それなら、適宜、軌道修正して締め切りを守れそうです。

以上の考察から、夏休みの宿題に取り組むには、次のことが大切と言えます:
 ・まず全体像を把握し、併せて持ち時間や具体的な手順を明らかにすること。
 ・行動促進や軌道修正のため、年長者による中間チェックポイントを設けること。

 仕事の世界に目を向けても、根本的には変わりがありません。違いは、「宿題」が大規模になり、社会動向、金銭等の宿題を取り巻く利害関係が複雑化し、コントロールしなければならないものが増える点です。 とすれば、妥当な計画の立案、進捗の把握、適切な軌道修正の重要性は更に増します。

 筆者は今、「製品開発」という大きな宿題にはどのように取り組むべきか、お客様と共に考えています。製品開発の全体像を技術面・業務面から把握し、実行可能な計画に落としこむこと。どういった情報を元に、どの時点で進捗を把握すれば適切な判断を下せるようになるか検討し、仕組みを作ることなど、大変な宿題です。 しかし、お客様が実りある新学期(=新製品の発売)を迎えるためには、やらないわけにはいきません。これからも、お客様と共に、この大きな宿題に取り組んで行きたいと思います。

執筆:花井 紀子
※コラムは執筆者の個人的見解であり、iTiDコンサルティングの公式見解を示すものではありません。

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