多事想論articles

直感を楽しむ

 誰にでも、根拠はないけれども"なんとなく"好きなものや、"なんとなく"良いと思うアイデアがあると思います。みなさんはその"なんとなく"感じた直感をどのように処理しているでしょうか。
 私は"なんとなく"の原因(なぜ好きなのか、なぜうまくいくと思うのか、など)がわからない時、「思考の整理学」という本を読んでいます。
 「思考の整理学」は考え方やアイデアに対する答えが書いているわけではありません。この本の目的は次のように書かれています。
 『人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者である。両者は一人の人間の中に同居している。(中略)この本では、グライダー兼飛行機のような人間となるには、どういうことを心掛ければよいかを考えたい。』
※本著では具体的にグライダーと飛行機を説明していないが、グライダーは進み方も進む方向が決まっている学校の勉強のようなもので、飛行機は進み方も進む方向も決まっていない研究や起業のようなものを指していると私は理解している。

 私がこの本を読んでいる理由は、"なんとなく"の原因を分析し、自分にとって新しい発見に出会うためです。
 新しい発見の例として、私は前職に従事していた自動車の研究開発において、"つくる"プロセスは研究開発だけでなく、様々な分野において応用が利くと感じていたのですが、ITIDに入社して衝撃を受けました。それは、すでにさまざまなプロセスが具体化されており、私の"なんとなく"が明快になったからです。そのきっかけも、この会社に行けば自分が想像していることが具体化し、おもしろいことができるだろうという直感によってつながりました。

 本著の説明のとおり、飛行機能力とグライダー能力は両方重要だと私は考えています。直感を思いついても、"なんとなく"の原因を分析する材料(知識)が必要だからです。
 グライダー能力と飛行機能力それぞれを伸ばすことによって、"なんとなく"から生まれる直感を大事にし、新しい発見を求める楽しさが得られるのではないでしょうか。

執筆:稲田 和也
※コラムは執筆者の個人的見解であり、ITIDの公式見解を示すものではありません。

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