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開発組織編制 -製品開発プロジェクトと組織の関係-

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 代表的な開発組織のタイプとその特徴がつかめたところで、もう一つ製品開発には欠かすことの出来ない体制である製品開発プロジェクトについても触れておく。 先ほどまで見てきたような、いわゆる会社としての正式な組織とは別に、決められた期間やリソースの範囲内で、ある特定の製品を開発することを目的に発足するものを製品開発プロジェクトと呼び、製品開発の多くが何らかのプロジェクト体制で推進されている。

 通常、製品開発プロジェクトに参画するメンバーは、今の組織に籍を置いたままプロジェクト内で一定の役割を担い、プロジェクトの長であるプロジェクトマネージャの指揮下で業務を遂行することになる。 すなわち、製品の具現化に代表される『統合』業務の多くが製品開発プロジェクト下で遂行されることになり、組織の部門長と同様にプロジェクトマネージャの役割と権限を明確にしておくことも組織運営にとって重要であることが認識できるはずである。

1. 軽量級のプロジェクトマネージャ

 参画人数やすり合わせる技術が少ないなど『統合』の業務がそれほど問題視されない場合、プロジェクトマネージャは開発の調整が主な役割となり、スケジュールや工数の管理、会議の日程調整や進行が主な業務となる。 これを一般的には『軽量級』のプロジェクトマネージャと呼んでいる。

2. 重量級のプロジェクトマネージャ

 それに対し、顧客ニーズが複雑で技術のすり合わせが重要だったり、関連部門を巻き込んだ事前検討が必要となったりするような『統合』要素が強い開発では、プロジェクトマネージャは製品コンセプトの策定や目標仕様の決定、技術方式の選択や目標原価の管理など幅広い責任を負わなければならない。 これを『重量級』のプロジェクトマネージャと呼び、技術とともに経営的な判断スキルも要求される。

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