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評価(テスト)の最適化 -評価計画の作り方-

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 製品の評価計画を作成する際のあるべき姿としては一般的に開発プロジェクトの計画を作成するとの同様にまず評価計画の標準プロセスを構築しておくことが挙げられる。ポイントとしては、

  • 製品仕様を基に実現すべき製品の機能・性能を導き、製品評価内容の検討をできるだけ開発の早期に行うこと。
  • 導かれた製品の評価内容から、設計段階でコンピュータを使った事前検証(バーチャル、CAE)や部分試作で評価できる内容を事前に検討し、前倒しで評価できるプロセスにすること。
  • 企画段階もしくは設計の初期段階で過去製品のトラブル情報を設計者にインプットする業務タスクを設けること。
  • 企画段階から設計FMEA、設計段階から製造FMEAを実施できる機会を設けること。(リスクや課題をプロジェクトメンバー全員から抽出できる機会を設けること。)
  • 評価設備の準備や使用状況の確認、評価工数の確保などを行うこと。

 などが考えられる。また製品仕様の変更は評価計画に大きな影響を与えるため、標準プロセスを構築したのちに、変更が許される期限を見積っておく必要がある。更にその期限を超えての変更が生じた場合にはどのようなリスクが生じるのか、またどのくらい手戻りが生じるのかなどを標準プロセスを材料に予測し、社内の企画担当者やあるいは顧客に対して事前に説明ができる体制を備えるべきである。もちろん、開発する製品によっては標準プロセス通りにいかない開発もあるかもしれない。しかし、このような予測を試みない限り、製品の仕様をいつまでに決めるべきかを自社内も顧客も認識できないであろう。

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