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評価(テスト)の最適化 -設計検証と製品評価の考え方-

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 最後に設計検証と製品評価に関してだが、ポイントは第3者的な観点で評価を行うということである。自動車業界では一般的に設計担当者と実験担当者が存在し、設計行為と製品評価を別の担当者が行うケースがほとんどである。このようなケースでは第3者的な観点での評価を得やすい環境にあると言えるが、自動車よりも開発体制や製品機能が小規模な製品の開発現場では設計者が設計と主要な評価を担当し、品質保証担当者は製品の信頼性試験だけを担当しているというケースも多く見受けられる。このような体制では第3者的な観点からの評価が得られにくい環境にあるわけだが、開発内で製品評価について活躍する品質保証担当者を設けるなどして、客観的な観点を持つことが望ましい。
 この設計者と品質保証担当者の製品評価に対する役割として、もっとも支持される考え方では設計完了までの試作では設計者が設計妥当性を評価するために担当し、その後の試作から品証も設計と相まって担当するという形である。いずれにしても開発の早期に品質保証担当者が入り込むという考え方を持っているほうが多くの視点で製品を見ることができ、評価を充実させ、問題を早期に解決できるという点で非常に有利であると考える。

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