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機能割付け -機能割付けとは?-

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 あなたは機能割付けと聞くと、どんな作業を思い浮かべるだろうか?車、複写機、携帯電話、デジカメなど、扱っている製品の特性によって、思い浮かべる作業は違うかもしれないし、メカ、エレキ、ソフトや化学物質など、あなたが担当している分野によっても、違うかもしれない。もしかすると、機能割付けという言葉より、システム設計という言葉の方がピンとくる人もいるかもしれない。今回取り上げている機能割付けについて共通理解を得るために、ここで機能割付けの定義を簡単におさらいしておく。

機能割付けの位置づけ
図1:機能割付けの位置づけ

 まず図1を見てほしい。一般的に製品開発は、企画にはじまり、構想設計、詳細設計、評価検証、製造生産の大きく5つのフェーズに分かれて進められる。機能割付け作業は、開発の上流にあたる企画案が出される企画フェーズから構想設計フェーズにかけて行われる。その間の大まかな作業の流れは以下のとおりである。
1)ポンチ絵などを利用し企画のコンセプトを作る。
2)企画のイメージに合わせて機能と製品構成のイメージを作る。
3)メカ、エレキ、ソフトなどの担当者が集まり複数の設計案を出す。
4)設計案をより詳細な製品イメージで検討する。
5)機能をメカ、エレキ、ソフトのどの分野の設計要素で実現するか高品質、低コスト、短納期を軸に各設計案を評価する。
6)事業性も含めて最終的に企画を決定する。
上記の作業の中で、3から5の作業が機能割付けに該当する。機能割付け作業が完了すると、製品仕様が概ね決まり、それまでの検討内容を製品仕様書として書き上げることができるようになる。

 

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