共感の輪を広げる改革プラン作り
「改革を推進する立場になり、関係者に協力を依頼する際に、どうしたものかわからない。」「理屈や論理で説得して表面的には同意してもらえても、本気で改革を推進する協力者を集められない。」といったご相談を受けることがあります。
改革活動を成功に導くには良い目標設定が必要です。ここで狙うのは改革に関わっていく皆さんが進む方針に共感できて改革を推進できる目標設定です。
しかし、実際には各々の持つ様々な事情や考えに対して、ある意味で目をつぶって、改革を強いている場合も多いと思います。では共感を持ってもらい改革活動を広げていくにはどのように目標設定(プラン作り)をすればよいでしょうか?ここでは2つのポイントをご紹介します。また改革のような大きなことに限らず、小さなことでも共感を得て進めたいことも多いと思います。合わせて参考になれば幸いです。
1.改革を主導するメンバーとの共感
活動の主体となるメンバーが共通の目標を作るには、いつごろにどんな状態になっていたいかを集まって話し合うことです。この際に各々の考えを1つずつ付箋紙に書き出すなどして共有することが大切です。そうすれば各メンバーが何をやりたいのか何を重要だと捉えているかを共有できて残せます。各メンバーのやりたいことが実現できるように役割分担して推進力を高めるのが近道です。
2.将来の関係者との共感
改革を主導するメンバーの考えが共有できたら、次に改革プランを立案します。その際にはどのように共感の輪を広げて、活動の協力者を増やしていくかを考える必要があります。我々が改革活動を支援する際には以下の3点で魅力的なプランとなるように気をつけています。
- 直近のアクションが設定されていて活動が動いていること (2,3週先ぐらい)
改革活動の開始時には、ゴールや想いが発信されるだけではなくどのようなアクションを取るのか注目されます。アクションが取られていないように見えると、皆さん興味を失ってしまいます。まだ活動に参画していない人からも、改革の動きが取られていることを共有や報告などの形で、直近で見えるようにすることが重要です。 - 既存の枠を外す仕掛け(チャレンジ)を設定していること (2,3ヶ月先)
どうせ既存のやり方を変えられないというあきらめやマンネリ感を持っている方も多くいます。 2,3ヶ月活動を進めることで、どんなアウトプットや効果が出てきて、これまで制約になっていた壁が取り払われるかを考えておくことが重要です。その結果、共感してくれる人が増えて、協力を求められる範囲が広がるよう活動を計画しておきます。 - 活動でどんな成果を得られているかをイメージしていること(2,3年先)
どんな効果やご利益があるのかを関係する方々が感じられないと、協力しようと動いてくれたとしても短期的な協力で終わり、長続きしません。自分だけでなく、改革活動の関係者にも喜んでもらえる改革の成果とゴールが設定されていることが重要です。活動に共感して実践してくれた皆さんが成長、効率化などどう効果を上げて、どう良くなっているかを考えます。
皆さんが考え抜いて目標設定した活動によって、共感の輪が広がりますように。
執筆:田畑 徳則
※コラムは執筆者の個人的見解であり、ITIDの公式見解を示すものではありません。