多事想論articles

心にとどめる言葉

最近、対人関係に関する報道や事件を多く目にしますね。起きている事の質は違いますが、職場においても、上司部下、同期、同じPJの同僚、お客様との関係を上手く構築するのは難しいと思うことは多々あります。皆さんはどうでしょうか。

対人関係を築く上で、傾聴、表現の仕方・言葉遣い、視線・相槌など、コミュニケーションスキルは大事ですが、スキルを十分発揮するためにも、拠り所として心にとどめる言葉があると良いのではないかと思います。

5年以上前になりますが、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞された京都大学 山中伸弥名誉所長・教授が、あるインタビュー時に語られていた言葉に、私はいつも助けられています。当時のインタビューでは、コーチングの視点にはなりますが、「プレーは叱っても人格は責めない」「他人と比較しない」「あとで必ずフォローする」「長時間叱らない」といった4つの言葉を心にとどめていると語っておられました。山中教授自身も、ラグビーの元日本代表である故平尾誠二さんから頂いて大事にされているようですが、当時このインタビュー記事を読んだときに、私自身ハッと気づかされたのを覚えています。

また、大学の恩師である、故古井貞熙 東工大栄誉教授は、いつも私の心にとどまる存在になっています。先生が生前ご自身のモットーとして語られていた言葉があります。それは、「あせらない」「おこらない」「いばらない」「くさらない」「まけない」という5つの言葉でした。それぞれの頭文字を取り、「あおいくま」というフレーズで表現されていました。指導を受けていた大学時代から、業績もさることながら、先生の立ち振る舞いを見て、私もこの方のようになれたらなと思った憧れでしたし、モットーとして語られていた言葉を体現されていました。そのため、自分自身の振る舞いに対し、先生だったらこんなとき...と見つめ直すきっかけになっていると感じています。

私の場合、短気・せっかちな性格で、つい感情的な部分が表に出てしまいがちです。そんなとき、今回ご紹介した言葉を心にとどめ、適切なふるまいになるように心がけています。皆さんも、自分自身の思考や性格に合わせて、心にとどめる言葉を見つけたり、改めて大切にしてみては、いかがでしょうか。

シニアマネージャー 広畑 誠

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