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プロジェクトマネージャーのアウトソーシング

テレビやネットで新製品発表のニュースを目にしたとき、みなさんはどのようなことを考えますか?使い勝手はどうだろう?これによって世の中がどう変わるだろう?と考える人もいるでしょう。私の前職は化学系メーカーの研究員で、当時そのようなニュースに対する関心事は「どのような新技術が組み込まれているか」ということでした。しかし現在コンサルタントとなってからは、「それを実現するプロジェクトはどのようにマネジメントされていたのか」ということに意識が向かうようになりました。

化学系に限らず、製造業の研究員や技術者が本来担う業務は研究開発です。たとえば私は前職でリチウムイオン電池と同等性能を有した全固体電池用材料の開発を担当していました。ただ、そのような研究開発は、多くの場合個人作業ではなく複数名のチームで行われます。そのため、それを管理運営する役割も必要です。そのような、特定分野の研究のように技術を極めるのではなくチームをマネジメントする役割には、技術と異なり人をマネジメントする固有の知識経験が必要になります。たとえば、日程表に計画と実績を書いてメンバーと共有したりする管理スキルや関係者と円滑なコミュニケーションを取りながら情報を見える化し随時更新したりするコミュニケーションスキルなどがあります。

しかし実際には、長く技術を極めた研究員がプロジェクトマネージャーになっている例が多くあります。たとえば前職のメーカーでは、プロジェクトマネージャーは開発担当者や製造担当者が兼任していました。彼らはプロジェクトマネジメントのスキルを十分に持っていないため、マネジメントがうまく行かずプロジェクトがたびたび遅延していました。ひとたび遅延が生じると彼らの工数は本業の開発や製造に割かれ、さらにマネジメントがおろそかになり、最終的に年単位でのプロジェクト遅延、さらには開発中止となったこともありました。

プロジェクトの成功率を高めるには、プロジェクトマネージャーがプロジェクトマネジメントのスキルを十分身につけているだけでなく、マネンジメント専任であることが望ましいです。しかし、要員が足りないために専任のプロジェクトマネージャーを置けない、もしくはプロジェクトマネジメントのスキルを十分身につけた研究員の数が少ないためプロジェクトにアサインできないというケースが起こりえます。

その場合、プロジェクトマネジメントのスキルを有した人材を探す対象を、社外まで広げるのはいかがでしょうか?社外の人材なら、開発や製造に工数を奪われる事はありません。さらに、社内のプロジェクトメンバーは、社外の人材と一緒にプロジェクトマネンジメントに取り組むことで、プロジェクトマネジメントのスキルを習得することも期待できます

もし、プロジェクトマネジメントのスキルを十分身につけた社外の人材を探す場合は、ITIDに是非お声がけください。ITIDに在籍しているコンサルタントの多くは、メーカーへのプロジェクトマネジメント支援経験が豊富なだけでなく、製造業出身のため開発や製造に関する知見も有しています。

シニアコンサルタント 芝本 匡雄

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