多事想論articles

BADUI

皆さんは日頃、「このUI(ユーザーインタフェース)使いにくいな。」「分かりにくいな」と思ったことはありませんか?

例えば、以下はとある施設のトイレで使われていたマークです。

画像1.png           参考:https://www.asahi-net.or.jp/~cg1y-aytk/hci/badui20161208.html

男性用と女性用明確に判断できますか?

この例は、青色が男性用、赤色が女性用なのですが、マークだけ見たら間違えてしまうこともあると思います。
このような、利用者から見て使い方が分かりにくかったり、間違いやすくなっていたり、ヒューマンエラーのきっかけになり得るUIBADUIと呼びます。

なぜBADUIは生まれるのでしょうか。
当然ですが、多くのデザイナー・開発者は意図的にBADUIを生み出しているわけではありません。
開発の中で顧客からの要求や、これまでにない斬新なデザインにこだわるなど、ある目的を達成しようとして、様々な試行錯誤した結果、利用者からすると分かりづらいBADUIになってしまうことがあるのです。
これだけ聞くと、「ユーザー視点で検討すれば大丈夫だ。」と簡単なように思うかもしれませんが、普段の開発でどれだけユーザーが使うところを意識しているでしょうか。

製造業の現場では、実際に利用者と対面する最終製品の開発ではユーザーのことを意識していたとしても、部品や制御用ソフトウェアの開発時は意識できていないことが多いのではないでしょうか。
開発する際、あくまで一部品、一プログラムとしてしか見られなくなってしまっていることが原因です。
発注元から要求された通りに発注された部品の機能や性能を突き詰めていく。こんな開発になってしまってはいませんか?
開発を進めるに当たり、機能や性能を突き詰めることは大切なことです。
一方でその突き詰めることは、製品として顧客が本当に喜ぶことでしょうか?
部品だとしても、制御用ソフトウェアだとしても、「組み込まれる製品がどんな環境でどのように使われるのか。」
こういった視点を持つことが、顧客満足に繋がる製品開発に繋がり、引いては部品や制御用ソフトウェアを作った開発者の評価に繋がります。

これからの社会では、モノとヒトが密に関わり合いながら生きていくことになります。
製品やサービスを開発する時には、モノとヒトの繋がり(インタフェース)を考慮して進めたいものです。

シニアコンサルタント 髙居 宏彰

資料ダウンロードはこちら