依頼企業はこれまで単一の既存事業で大きく成長してきた。シェアも十分取れているものの、市場は飽和しつつあり、これ以上の成長を見込むのが難しい状況だった。
新事業への取り組みをしているものの、うまくいかない。
第二、第三の柱をたてるべく、企業内のメンバーで新事業に取り組んできたが、なかなかモノにならなかったり、事業として育たなかった。また、メンバー自身も新しい事業に実際に取り組んだことがある人がおらず、手探りで進めている上、周りからの強力も得られにくかった。
コンサルティング事例 case study
依頼企業はこれまで単一の既存事業で大きく成長してきた。シェアも十分取れているものの、市場は飽和しつつあり、これ以上の成長を見込むのが難しい状況だった。
新事業や新製品を次々に出す企業は、単に発想力に優れた人が存在しているだけではなく、組織としてそれを生み出しやすい土壌を持っているという特長がある。
その土壌を形成する組織構造や仕組みを取り入れ、新しいものが次々に生まれる組織を目指す。
上記目的を達するためにはまず現状を把握し、現在の良い点、足りない点を明確にすることが重要である。
新規テーマに対する現状の取り組み具合や、その進め方、評価方法、裁量などがどのようになっているかを調査し、イノベーションキャンバスを用いながら、それぞれの影響度や要因を確認し、対策すべき課題を抽出した。
その結果、以下のような問題が浮き彫りになってきた。
いずれも既存事業の影響が、新しいもの(イノベーション)への取り組みを阻害しているため、その影響を取り除く体制構築を行った。
部署間の利害関係については、レイヤーが下がるほどコントロールしづらくなるため、新規事業の担当部署は経営トップの直属組織とした。また、単発の活動ではなく、今後も取り組みを継続させるために実行部隊と支援部隊を組織として分け、知見が蒸発しないような組織とした。
組織体制とあわせて、イノベーションを進めるためのプロセス、評価指標を整備した。
多くの企業では既存事業の進め方に合わせて新規事業に取り組もうとしているため、新奇度が高いプロジェクトは不当に低く評価されてしまう。その結果業務の優先順位も下がってしまうということが起こる。
経営トップ直属であること、また社における最重要経営課題と位置付けることで、各部署も協力せざるを得ない構造とした。
会社の方向を合わせるには、長期的なゴールを示す必要がある。長期的なゴールがあって初めて優先すべきプロジェクトが何なのかを決めることができ、適切な事業評価を行うことができる。
未来におけるどんな価値を企業として提供すべきなのか。価値発想や選定を行う中で検討を深め、10年後に向けて提供したい価値を策定した。
仕組みだけを整えても中身を作っていかないと、形骸化してしまう恐れがある。
新組織の元、新しいプロセスで新事業立ち上げを実際に行った。
新規事業の構想だけでなく、具体化し、試作品を作成する部分や、上申してリソースを得ること、顧客開拓等のサポートまで広く行った。
また実際に進める中で見えてきたプロセスや評価の問題点を修正し、内容を改善していった。
これらの対策をイノベーションキャンバスで表すと次のようになる。
戦略の設定、組織体制の構築、プロセスを構築した上で実際に進めたことにより、構想も全くない状態から、2つほどの事業において試作品を作成し、実際にいくつかの見込み顧客に使ってもらっている状態まで進めることができた。
その分野における競合はまだなく、市場の潜在規模は1000億円程度と見込まれる。
見込み顧客からは上々の反応があるもののまだ改善点も多い。しかし、次にやるべきことは明確になっており、メンバーを中心に、事業の具現化に向けて確実に進んでいる。
こちらで紹介した以外にも、ソフトウェアプロダクトラインの構築、人事業務の課題設定、地方銀行におけるBPR、SIerにおけるCMMI認証取得など、 様々なコンサルティング事例をご紹介可能です。皆様の課題解決に向けて、お気軽にお問い合わせください。
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