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デザインレビュー(設計審査会) -一般的なデザインレビュー-

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 一般的なデザインレビューの仕組みの例を図1に示す。製品分野によって異なるが、普通は企画段階や構想設計段階など製品開発のプロセスの中に大きなフェーズの区切りがあり、その区切りごとにデザインレビューが設置されている。 大抵の企業では、たとえばDR3は「詳細設計レビュー」のように位置づけを明確にし、「設計内容が機能、生産性、安全性、信頼性、コストの観点で妥当であり、試作に移行しても問題がないかを審査する」などと目的を定義している。(表1)
また、目的だけではなくデザインレビューごとに主催者、報告者、参加者、決裁者、審査対象ドキュメントなどの定義をしている企業もある。

デザインレビューの仕組み例

図1 デザインレビューの仕組み例

デザインレビューの名称と目的例
表1 デザインレビューの名称と目的例

 デザインレビューを何段階にするかは製品開発期間や開発体制によっても異なるものの、ほとんどの企業ではこのようなデザインレビューを4~5段階用意している。 8段階や9段階といった例も聞かれるが、量産初期段階の生産ラインに関するレビューや製品出荷後の品質確認もレビューに加えているケースが多い。 また、新規性の高さなど製品ランクに応じて段階を変えるなどフレキシブルに運用している企業もある。 実施時期についても、製品全体でデザインレビューを実施する企業もあれば、メカ、エレキ、ソフトなどの要素ごとにそれぞれの進捗度合いに応じて実施する企業もあり、様々である。

 また、デザインレビューの種類を分けてみると、広義のデザインレビューには技術的に問題がないかを議論する「検討会」と次の段階に移行してもよいかどうかを判断する「審査会」がある。前者は主に担当者レベルが集まって実現可能性の検討や問題の指摘などを行う場であり、あまり形式化はされていない。 設計検討会や技術検討会、あるいはミニDRと呼ばれることもある。 後者は機種リーダや担当者が事業部長や経営幹部に報告し判断を仰ぐ場であり、決められた様式で提出資料を作成する必要があるなど形式化されていることが多い。

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