機能割付け -はじめに-
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「ハードとソフトを結合してはじめて重要な機能が動作しないことがわかった」
開発現場の第一線で活躍するプロジェクトマネージャや設計担当者に、現場でよくあるトラブルの話を尋ねると、必ずと言っていいほどこの類の話を聞く。 彼らにその要因について詳しく聞いてみると、「開発の初期段階で十分な検討ができていなかった」ことを要因として挙げる場合が多い。 しかし、もう少し深く踏み込んで、具体的にどの時点の?どの検討に?どんな問題があるか?と真相に迫っていくと、スパッと言及できる人は実に少ない。
今回、ITIDが実施した第2回開発力調査では、企画から製造に至る数ある開発プロセスの中で、開発の上流で実施する機能割付けがプロジェクトの成否を握るキープロセスに挙がった。このことは、冒頭の彼らの話を裏づけるとともに、ものづくりの前に十分な検討をしておくこと、いわゆるフロントローディングできていることがプロジェクトを成功させるための課題であることに他ならない。
本章では、『機能割付け』の現状を確認した上で、評点の高かった企業の事例を通してその成功要因を読み解いていく。